哲学的思考力

将来に不安を感じている人へ

将来の不安を感じる時ってありますよね。

このまま今の仕事を続けていけるだろうか。
入社してあっという間にこの年になってしまった。
個々数年給料は増えてないし、今更転職も自身がない。
みんな結婚して将来に備えてるし、自分もなにか始めたほうがいいんじゃないか。

こんな風に考えながら、日々会社勤めしてる人は多いのではないでしょうか。
将来への不安から、今から何か行動しようと考えている人もいるかもしれません。
しかし、誰にも分からない将来について、何をどう心配したらいいのでしょうか。

将来何が起きるか誰にも予想できない。

いつ会社が業績悪化して、不運にも倒産や解雇になるかもしれません。
組織変更で新しい組織に馴染めず辞めてしまうかもしれません。
また、突然の病気で働くことができなくなるかもしれません。
人間は防衛本能でつい無いことまで想像して不安になるものです。
では、そうすればこのような心配を払拭することが出来るのでしょうか。

キネーシスとエネルゲイア

アリストテレスは「将来の目的を最優先にした行為」をキネーシスといい、「将来の目標を度外視し、今この瞬間に集中する行為」をエネルゲアと呼んで、以下のように言っています。

「快楽は本来、『活動エネルゲイア』にほかならず、それ自身目的テロスなのである」

ニコマコス倫理学

これは一体どういう意味なのでしょうか。

アリストテレスの言うキネーシスとは、将来を優先する行為なので、例えば今の自分を犠牲に将来のために貯金や何かをしたりすることです。
その反対にエネルゲイアは、将来を度返しに今を楽しみ、その瞬間を生きること行為なので、すでに成し遂げた状態になれます。

例えば、商談やプレゼンなど何かのイベントがある中で、資料作りに没頭したり、わからなことを調べたり勉強したり、無心で準備をした結果、無事イベントが終了し絶賛されたことはないでしょうか。

あるいは、とにかく先輩の言うことを一生懸命やって気に入られたりしたこともあるかもしれません。
これこそが「エネルゲイア」です。
特に狙ってたわけではなく、そのプロセスをしっかりと実行したがことで「良い結果」を導いてしまう経験なのです。
キネーシスのように目的があり、それを逆算して今やるべきことを考えるのは一見真面目で賢いように見えますが、「今この瞬間」に没頭しておらず、没頭してる人よりもパフォーマンスが落ちることがよく見られます。

「心ここにあらず」という言葉を聞いたことがあると思います。
これは体は現在にあるけど、心が未来に行ったり過去に行ったりと現在にない状況を指しています。
心身一体になることで最高のパフォーマンスが生まれ、自然と結果がついてくるのです。
いい結果とはプロセスをいかに楽しむことができるかなのです。

将来への不安の解消法

とは言っても、人間欲があるため、全く目標を持たないということもないはずです。
考えが偏ることはあまりいいことではないので、あまり目標にばかり目を向けず時には今のプロセスを楽しむことが大事かと思います。
今の時代、SNSのプロフィールや投稿内容で将来への不安を仰いでる動画や、今やらないと後悔するなど、自分自身をコントロールするのが難しい時代に突入してると思います。
目的の中で一生懸命プロセスに打ち込み、つらい時期でも楽しみ、結果を出すために日々全力で生きてる人には、おのずと魅力が出てくるものです。その魅力こそが将来につなぐ力になるものです。

まとめ

今回は将来へ不安についてお話しました。
わからない未来を逆算するより、今を楽しみアタナの魅力を全開に出しましょう。
今この時点が最先端なので今が輝いてなければその先も輝けません。
今のこの瞬間を楽しみ、生きることが将来の自分につながっていくものです。
アリストテレスの言葉にはそんなことが凝縮されてます。

「快楽は本来、『活動エネルゲイア』にほかならず、それ自身目的テロスなのである」

ニコマコス倫理学

筆者の一言

余談ですが筆者の哲学としては、「今この状況を楽しむ」というものを実行してます。
大事なプレゼンやクレームの謝罪など、絶対楽しめないだろうと思える状況でも、「怒られることを楽しむ」、「緊張感を楽しむ」など意識してると、嫌な感じもせず逆にこういう経験を積ませてもらってることにありがたみを感じます。

いい話だけが全てではなく、しんどい時や辛い時にどう楽しむかで成長していきます。

経験は何事もプラスですね。

Share